郡山市長に品川氏再選、新人・浜津氏を下す 投票率最低38.05%

任期満了に伴う郡山市長選は16日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属で現職の品川萬里氏(72)が6万7354票を獲得、無所属で新人の浜津和子氏(63)との一騎打ちを2倍以上の得票で制し、再選を果たした。4年間の経済県都の活性化施策や子育て支援策、教育施策などに対する有権者の評価が問われたが、投票率は前回を7ポイント近く下回る38.05%と過去最低となり、関心は低かった。品川氏の任期は27日から4年。
今回の郡山市長選の投票率38.05%(男性37.65%、女性38.44%)は、前回の45.01%を6.96ポイント下回り、同市長選の記録が残る中で最も低かった。県内では2009(平成21)年の福島市長選の投票率が38.18%で、市長選の投票率が30%台となったのはそれ以来。郡山市長選の最低は01年の42.60%。当日有権者数は26万8210人、確定投票者数は10万2067人。
1期4年の実績評価 再び商都のかじ取り役へ
現新一騎打ちとなった市長選は、現職品川氏が1期4年の実績を評価され、再び商都のかじ取り役を託された。JR郡山駅前の再開発や県内初の義務教育学校整備などの成果が多くの有権者から支持された。
品川氏は4年前の初当選後、後援会組織を市内全域に拡大、組織は約50を数え、地盤を固めた。昨年の12月市議会で立候補を表明した後、組織力を生かしてきめ細かくミニ集会を開き、「市民総活躍」を掲げて子育て支援の充実や環状道路整備などを訴え、政策を着実に浸透させた。
政党の推薦こそなかったものの、市議会会派「新政会」の市議や民進党の県議らの支援を受けたほか、自民、公明、社民各党の支持層にも浸透するなど党派を超えて幅広く支持を広げた。さらに、連合福島やJAをはじめ多数の業界団体から推薦を受け、着々と票を積み重ねていった。
浜津氏は自民系の市議会最大会派「創風会」に推されて今年1月に正式に立候補を表明し、女性による変革を訴えた。告示直前に共産党の支持も得て反現職勢力の結集を狙った。しかし、同会派の一部の市議が支援を明確にせず、共産党支持が保守層の反発を招いたことなどから批判票の受け皿となりきれなかった。
また、自民党の有力県議が品川氏支持を明確にしたことなどから、自民党支持層が分裂した。
子育て支援策や市の将来像などを市民にどう示せるかが焦点となったが、両氏に政策面で大きな違いは見られず、投票率は同市長選で初めて40%を割り込んだ。「市民総活躍」を訴えた品川氏には、市政への関心を呼び起こし、市民参加による経済県都の活性化を実現させる手腕が求められる。
◇郡山市長選開票結果(選管最終、敬称略)
当67,354 品川 萬里 72 無現
33,363 浜津 和子 63 無新
- 双葉新町議8人決定 現新4人ずつ、投票率過去最低の47.13%
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