二本松市長に三保氏 現職破り返り咲き、合併後3回目の当選

 
返り咲きを果たし、支援者と万歳三唱する三保氏(左)と妻幸恵さん=26日午後9時ごろ、二本松市

 任期満了に伴う二本松市長選の投開票が26日行われ、無所属の元職で元県議会議長の三保恵一氏(68)が、無所属で現職の新野洋氏(66)=1期=を2189票差で破り、返り咲きを果たした。

 三保氏は2005(平成17)年の合併で誕生した現在の二本松市になってから3回目の当選。人口減少対策や市の将来像をどう示せるかを焦点に、市政の刷新か継続かが問われた選挙戦で、有権者は刷新を選択した。任期は12月25日から4年。

 投票率は66.24%で、前回を1.52ポイント上回った。

 市民党掲げ支持拡大

 前回市長選の落選後から、次期市長選を見据えて早々と行動に移した三保恵一氏が、同じ顔ぶれでの一騎打ちを制し、旧二本松市時代を含めて初めて市長に返り咲いた。

 「(三保を)このまま終わらせてはならない」と支持者が結束した。現職にも勝る高い知名度を誇り、市議の半数以上が現職支持に回る中、市民党を掲げ、新野市政に反発する勢力の受け皿となった。県議時代からの後援会組織をフル活用し、各地でミニ集会を重ね、市民の関心の高い産婦人科医の確保を訴えるなど、草の根で支持を広げた。

 新野氏は自民党二本松総支部や連合福島、自治労などの推薦を受けて組織力で臨み、子育て・定住支援など4年間の実績を強調したが、及ばなかった。

 基幹産業の農業で風評が続くなど課題は多いが、三保氏が掲げた「希望の持てる二本松をつくる」との思いは市民に伝わったはずだ。議会運営で難しい対応も迫られるが、「市民が主役」の市政のかじ取りを再び託された手腕に期待したい。

◇二本松市長選開票結果(選管最終、敬称略)
当16,479 三保 恵一 68 無元
 14,290 新野  洋 66 無現