現職・加藤幸一氏が無投票3選 中島村長選、子育て世代が支持

 
万歳三唱で再選を喜ぶ加藤氏(右)と妻孝子さん

 任期満了に伴う中島村長選は4日告示され、現職で無所属の加藤幸一氏(66)=2期=のほかに届け出はなく、加藤氏が無投票で3選を果たした。任期は19日から4年。

 加藤氏は幼稚園と保育所の保育料、給食費の無料化を実施。村児童館「輝らキッズ」を整備し、児童の学習支援を充実させるなど、子育て世代を対象とした施策を展開してきた。3期目は、7月に開館した村健康づくり交流センター「輝らフィット」を拠点に介護予防事業による村民の健康増進や企業誘致、村外からの移住・定住事業を進める。

 3期目の手腕も期待

 加藤氏は3度目の村長選で初めての無投票。保育料無料化や中学生海外派遣の修学旅行化は「村財政の大きな負担になる」と批判の声もあったが、2期8年で公約を実現し、子育て世代など幅広い支持を集めたことが再選の背景にある。

 村によると、所得税が増収傾向にあり、子育て世帯の負担軽減による女性の就業率上昇を一因とみている。好循環が生まれ、財政負担への不安の声を払拭(ふっしょく)した。7月に開設した健康づくり交流センターには村民無料の筋力トレーニング教室を設置。喫煙率の高い村民の健康寿命の延伸や運動機能の向上を啓発するなど、子育て世代以外を対象にした施策も一定の評価を得ている。

 一方、好調な農業とは裏腹に、商店街の活気は失われつつある。矢吹インターチェンジやJR新白河駅までの利便性を生かしたビジネス環境の整備や新たな地場産業の育成など、3期目の手腕も期待される。