「福島県知事選」11日告示 現職に新人3氏が挑む構図

 

 任期満了に伴う知事選は11日告示され、28日の投開票に向け17日間の選挙戦に入る。いずれも無所属で、現職の内堀雅雄氏(54)=福島市、新人で共産党県委員長の町田和史氏(41)=同、新人で自営業の金山屯氏(78)=白河市、新人でIT関連会社社長の高橋翔氏(30)=葛尾村=の4氏が立候補を予定。再選を目指す内堀氏に、県政の転換、刷新を訴える新人3氏が挑む構図が確実な情勢だ。

 今回の知事選は、内堀県政1期4年の評価や復興の針路、人口減少社会の県づくりなどを巡り論戦が展開される見通し。「18歳選挙権」導入後初めての知事選で、若い世代の関心を引き付けられるかなども焦点になりそうだ。

 内堀氏は復興再生など八つの基本政策に30項目の取り組みを示し、「復興・創生をさらに進化させ、加速させる」と訴える。避難地域の確実な復興推進や福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の進化などを掲げ、健康長寿や外国人観光客の増加などに注力するとしている。

 町田氏は「国や東京電力に県民の立場ではっきりものが言える県政が必要だ」と主張、安倍政権との向き合い方などで現県政への批判を強める。原発ゼロや原発事故による処理水の海洋放出反対、学校給食費の無料、子どもの貧困対策などを公約に示し、安倍政権への反対姿勢を前面に出す。

 金山氏は「子どもが古里に誇りを持てる県づくり」と力説、公約には県庁の郡山市移転などを掲げる。

 高橋氏は教育や産業人材育成を公約に示し「子どもたちの道しるべとなる施策が必要だ」と訴える。

 内堀氏は特定の政党の推薦を受けないが、共産党を除く各党や連合福島が支援に回る。町田氏は共産党の推薦を受け、同党県委員会や県労連などでつくる「みんなで新しい県政をつくる会」の支援を受ける。金山、高橋両氏は特定の政党、団体の支援を受けずに選挙戦を展開する方針。

 立候補は11日午前8時30分から県庁で受け付ける。4氏は立候補の届け出を済ませた後、いずれも福島市で第一声を放つ。