関心盛り上げに注力 福島県知事選、浮動票掘り起こし図る

 

 任期満了に伴う知事選は28日の投開票まで残り1週間。現県政への評価や復興の針路、人口減少社会での県づくりなどが争点だが、政策論争は乏しく、各陣営は公約の浸透に加え、有権者の関心の喚起に注力する。告示後2度目の週末を迎え、大票田の中心市街地で支持を訴えるなど、有権者の反応を注視しながら票固め、浮動票の掘り起こしを図る。

 県選管が19日に発表した期日前投票者数(12~18日)は前回知事選の同時期の約1.6倍となったが、選挙戦の最前線に立つ陣営関係者からは「有権者の関心はまだ低い」との声が相次ぐ。20日に福島市で期日前投票を済ませた会社員女性(27)も「職場でも知事選の話題は少ない」と話す。遊説やインターネットなどを通した浸透を続ける中、複数の陣営からは選挙ムードの盛り上げを終盤戦の重点戦略に取り入れる動きもある。

 内堀雅雄候補は20日、浜通りで2巡目の遊説を開始。いわき市や富岡、浪江両町などでの街頭演説後、南相馬、相馬両市での個人演説会に臨んだ。得票60万票を目標に掲げ、終盤は大票田を中心に個人演説会を組み、支持固めと無党派層の掘り起こしを図る。

 町田和史候補は、対話集会で住民の意見を自身の主張に反映させる「双方向型」の戦術を展開。陣営は投票率50%超えを当選に向けた前提条件と捉え、若年層への浸透、若者の政治参加などをアピールする。終盤は大票田の都市部を中心に遊説する方針。

 金山屯候補は選対を設けず福島、郡山、会津若松、いわき各市などで遊説。高橋翔候補はインターネットで動画を配信し、若者への支持拡大に力を入れる。