「参院選福島」自民、組織体制強化急ぐ 野党共闘、5月にも結論

 

 7月予定の参院選で改選を迎える議員が7月28日で任期満了となる。3カ月と迫る中、福島選挙区(改選1)に現職、新人の3氏が立候補を予定。「自民対非自民」の構図が固まりつつあり、非自民系では野党候補の一本化に向けた調整が進み、5月にも結論が出る見通しだ。自民は野党共闘の動きを警戒しつつ組織体制の強化を急いでいる。

 参院選は「7月4日公示―21日投開票」が有力視され、自民党現職で2期目の森雅子氏(54)、新人で県議の水野さち子氏(57)、共産党新人の野口徹郎氏(43)の3氏が立候補を予定。水野氏は国民民主、立憲民主、社民各党の県連と無所属議員、連合福島でつくる「5者協議会」が擁立した。

 森氏は自民公認で公明党の推薦を受ける。自民県連は今月21日、福島市に選対本部事務所を設置、森氏も後援会事務所を設けた。

 水野氏は今月2日に立候補を表明、支援団体の会合に出席するなど知名度向上に懸命だ。総合選対本部は5月12日にも設置される。

 野口氏は昨年7月に共産公認候補として出馬を表明。党県委員会書記長を務めており、各地で集会を開くなど動きだしている。

 非自民系は2016(平成28)年の参院選で野党統一候補が自民の現職大臣を破った再現を狙う。国民県連は定期大会で反自民の結集を図るとした大会決議を採択。増子輝彦代表は「安倍1強政治と対峙(たいじ)し課題を解決していく」と声を上げた。共産と政策面で一致点を見いだせるかが焦点で大型連休明けに議論が加速する見通し。共産の町田和史県委員長は「5月中に結論を出したい」と見据えた。

 野党の動きに、自民内には「厳しい戦いになる」との見方がある。自民は農業や商工業、建設業など友好団体でつくる支援組織を軸に保守層を結集させ、政権与党として施策の実行力を訴える構えだ。県連選対本部事務所開きで太田光秋幹事長は「政策はバラバラで選挙のためだけに集まる野党に、福島の将来を任せられない」と批判を強めた。