福島市議選...争点なく選挙『低調』 立候補の現職30人全員当選

 
福島市議選の開票作業の様子=6月30日午後9時30分ごろ、福島市・福島トヨタクラウンアリーナ(市国体記念体育館)

 6月30日投開票の福島市議選では、県都の発展を担う新市議35人が誕生した。新人の候補者は7人と少なく、立候補した現職30人は全員が当選。選挙戦は選挙ムードの低調さが目立ち、投票日の雨天も影響し、投票率は過去最低を更新した。今回の投票率は41.36%で、過去最低だった2011年の42.36%を1ポイント下回った。定数3減の中で、新人14人が乱立し、投票率が上昇した15年の市議選とは対照的だ。

 復興や除染が課題だった15年と比べ、今回は争点が絞られなかった。候補者からは「有権者の関心が薄い」との声が聞こえたが、裏を返せば、候補者に市民の関心を高める努力が足りなかったとも言える。

 得票トップは2期連続で元衆院議員石原洋三郎氏で、2位の議長半沢正典氏に大差をつけた。5位まで現職が占めたが、6位に新人石山波恵氏が食い込んだ。

 年齢別では最年少が39歳、最高齢が71歳。女性当選者は6人で、改選前の3人より倍増した。今後は木幡市政に影響する会派構成や正副議長を中心とした議会人事が焦点となる。臨時議会は8月上旬の開会予定。

 また、投開票でミスが相次ぐなど、市選管の対応にもまずさが目立った。投票率向上には投票しやすい環境づくりが重要だが、市選管には目新たらしさや工夫が感じられなかった。

 最下位が供託金「没収」

 当選に必要な法定得票数は674・442票で、11票差で落選した36番目の佐藤淳子氏までが上回った。供託金没収点は269・777票で、最下位の手嶋三千男氏のみ満たなかったため、供託金30万円が没収される。