須賀川市議選...選択機会なき無投票 定数減後2回目「想定外」

 

 4日に告示された須賀川市議選は、1954(昭和29)年の市制施行以来初めて無投票で新市議24人が決まった。引退議員が例年よりも多く、立候補者が24の定数を上回ることができず、市民が選択権を失う結果となった。

 今回は候補者数が減少した一方で、新人は前回を3人上回る9人と、過去4回で最多。15年に定数を24に削減して2回目で無投票になるのは、削減を検討した現職にとって想定外だった。ある現職は「議会への関心が低い訳ではない」とみるが「無投票の事実を受け止める必要がある」としてさらなる定数削減を示唆する。

 元々欠員1の中で、現職6人が引退、3人が県議選にくら替え。選挙戦になるには再選を目指す現職のほかに、11人以上の新人の立候補が必要だった。7月の立候補予定者説明会には新人10を含む25陣営が出席したが、うち新人の1陣営が出馬を断念。ほかに立候補を模索する動きもみられたが、擁立には至らなかった。選挙戦を望んだ有権者の男性(76)は「政策を吟味する機会が欲しかった」と指摘。新市議には「市政の透明化に努め、市民の関心が高まるよう活動してほしい」と願う。

 新議員は1、2期の議員が半数以上を占める。安定的な議会運営に向けて、各議員が市政課題への理解を深めるとともに、議員としての資質向上により一層取り組むことが求められる。