天栄村長に現職・添田勝幸氏3選 届け出なく2期連続の無投票

 
3選を果たし、万歳三唱する添田氏(中央)と妻由里江さん(右)

 任期満了に伴う天栄村長選は27日告示され、無所属で現職の添田勝幸氏(57)=2期=のほかに立候補の届け出がなく、添田氏が無投票で3選を果たした。無投票は2期連続。

 添田氏は2011(平成23)年の村長選で初当選。震災や原発事故を受けた防災、風評対策をはじめ、少子高齢化、人口減少を見据えた移住・定住の支援、教育環境の充実などの取り組みを進めてきた。

 任期は9月27日から4年。当選証書付与式は同2日午前10時から村役場で行われる。

 地道なPR、観光振興

 現職の添田勝幸氏が3選を果たした天栄村長選。添田氏は震災以降の2期8年で風評払拭(ふっしょく)や村のにぎわい創出を着実に前に進め、再び無投票で村政を担うことになった。

 基幹産業の観光業と農業は風評に苦しみ、年間の観光客数は50万人から20万人弱まで急減したが、首都圏などでの地道なPRが奏功し、現在は30万人台までに回復。村観光協会や旅館業者と連携した合宿誘致などで震災前の水準を目指す中、9月にオートキャンプ世界大会が控える。国内外への情報発信や海外からの誘客拡大が今後の課題だ。

 少子高齢化や人口減少に直面する中、「持続可能な村づくり」のため移住・定住の支援、財政のスリム化を図る考えだ。「痛みが伴う判断も必要」と添田氏。難しいかじ取りは続く。