「投開票所」被災...変更余儀なく 福島県議選、投票率低下懸念

 
台風で床上浸水した神明下集会所。周囲にはいまだ災害ごみが積まれている=23日午前、郡山市

 県議選の投開票所として予定していた施設が被災した市町村も多い。郡山市では、市内149カ所に設置予定だった投票所のうち赤木地域公民館が床上浸水したほか、小原田地域公民館と芳賀小が避難所となっており、投票所を赤木保育所、小原田小、郡山四中に変更する予定。また、阿武隈川に近い神明下集会所では床上浸水などの被害があり他の投票所と統合することも検討されたが、投票率低下を懸念する地域住民の声を受け、床にブルーシートを敷くなどして対応する方針だ。

 本宮市では、投票所の市中央公民館と本宮第1保育所、開票所のサンライズもとみやが浸水被害を受けて被災した。市選管は投票所をそれぞれ本宮一中体育館と本宮小に代替する計画で準備を進めている。開票所は本宮一中体育館に変更する予定。担当者は「台風の被害対応もあるが、選挙事務が手薄にならないように最低限の人員は確保して、準備を進めていきたい」と話す。

 須賀川市・岩瀬郡選挙区では、須賀川、鏡石両町で投票所が被災。鏡石町は避難所となっている成田保健センターが投票所の一つで、町選管担当者は「現状として併用するほかない」とする。

 投票所1カ所を変更する須賀川市選管は、避難を余儀なくされている有権者への入場券の発送についても頭を悩ます。担当者は「機械的に郵送するしかない」としながらも「投票所に来てもらえれば投票はできる。当日足を運べなくても、期日前投票を利用してほしい」と呼び掛ける。

 石川町では、開票所となる町総合体育館が現在、避難所となっており、町選管は開票作業のため避難者に別の避難所に移ってもらうことも検討。相馬市では投開票所に大きな影響はないものの、国道や林道の被災の影響で山上地区の3カ所に掲示板が設置できない状況という。ただ、市選管担当者は県議選への影響を懸念しつつ「防災という意味では選挙への意識は高まっているのではないか」と話した。