【福島県議選・選挙区情勢】臨戦態勢!浜の大都市『少数激戦』

 

 任期満了に伴い31日告示、11月10日投開票で行われる県議選は、これまでに定数58に74人が立候補を表明しており、19選挙区のうち9選挙区で選挙戦が確実な情勢だ。台風19号の豪雨被害の影響が続く中で実施される県議選の選挙区ごとの情勢を探った。(敬称略)

 【いわき市】現職10、新人2の計12人が立候補を予定している。前回より4人減となる見通しだが、各陣営は泡沫(ほうまつ)候補がいない「少数激戦」を見込み、臨戦態勢を敷く。

 9000~1万票を当確ラインとみる陣営が大勢を占める。台風19号の影響で低下傾向の投票率がさらに下がる見方もあり、当確ラインを再考する動きもある。台風対応が争点の一つとして挙がる可能性も出てきた。

 自民は当初、現職4人に新人1人を加えた5人を公認したが、新人の急逝により4人に。新人が地盤としていた常磐地区は、新人の後援会組織が解散したことで、各陣営とも前回支持を得ていた有権者の動きも注視している。9選を目指す青木は平地区を地盤に、保守層や企業、団体を中心に票を固める。3選を狙う矢吹は地元の市北部から支持を広げる。3選に挑む鈴木は小名浜地区を中心に子育て世代などに政策の浸透を図る。坂本は再選へ地盤の勿来地区を拠点に周辺地区などでも支持拡大を狙う。

 古市は立憲の公認を受け、4選に向けて地元草野・神谷地区などで支持拡大を図る。国民の鳥居は地盤の勿来地区を中心に、連合福島と連携しながら支持を訴える。

 共産は4期目を狙う宮川と再選を目指す吉田の現職2人を公認した。地域のすみ分けを図りながら組織票固めに動いている。

 公明は現職1人、新人1人を公認。3期目を狙う安部は勿来地区を中心に支持を固める。新人真山は若年層の取り込みを図る。

 社民は新人の元市議狩野を公認。平北部地域を地盤に支持者拡大を目指す。

 無所属の西丸は地盤の常磐地区や隣接地域にも浸透を図り、票の上積みを狙う。

 【双葉郡】自民現職の吉田と国民現職の橋本のほかに出馬の動きはみられず、前回に続き無投票の公算が大きい。

 吉田は北双、橋本は南双が地盤。避難指示の解除が進む中、避難先に生活拠点が移ったり、商業施設や医療機関、就職への不安など住民の帰還に向けた課題は個別化、複雑化している。吉田は持続可能な復興、橋本は廃炉と並ぶ産業の確立などを掲げ、郡内や避難者の多いいわき市などで訴える