「喜多方・耶麻」24年ぶり選挙戦 福島県議選、政策論争に期待

 

 任期満了に伴い、31日に告示された第19回県議選。有権者約6万3000人の喜多方市・耶麻郡選挙区は旧喜多方市、旧耶麻郡に分かれていた1995(平成7)年以来、24年ぶりに選挙戦となった。「選挙の存在を知ってもらう必要がある」。各陣営は政策を訴えるとともに、有権者に「県議選」を理解してもらおうと躍起だ。

 同選挙区には届け出順に、国民民主党の現職瓜生信一郎氏(70)、自民党新人の江花圭司氏(44)、自民現職の渡部信夫氏(59)が立候補。定数はこれまでの3から、1減の2となった。

 3候補は初日、喜多方市で第一声を上げた後、すぐに選挙カーに乗り込んだ。旧耶麻郡選挙区時代から当選8回を誇るベテラン瓜生候補の陣営は「旧市内の選挙は初めてで不安もある」と吐露しながらも「新しい支持層を掘り起こしたい」と前向きに捉える。

 「選挙は必要だ。有権者の関心が薄れている」。昨年の補選で無投票当選した渡部候補の陣営も初の選挙戦に好意的だ。有権者の興味を誘おうと、初日は選挙区内をくまなく回った。

 現職2人に挑む形となった江花候補は市議選経験があるものの、県議選は初挑戦。3人の中では最年少だけに、陣営は「候補者同士で切磋琢磨(せっさたくま)し、若い人の投票につなげたい」とした。

 2011(平成23)年の合区後では初めての選挙戦。選挙区は東端の猪苗代町から西端の西会津町までは直線で約50~60キロと広く、選挙区と重なる会津北部は人口減少や少子高齢化など、大きな課題を抱える。喜多方市に住む男性(68)は「24年間無投票は長すぎる。大いに政策論争してほしい」と盛り上がりを期待した。