【福島県議選・最終盤の情勢】いわき市、被災地での活動苦慮

 

 【いわき市】定数10に対し、現職10人、新人2人が立候補。各候補者陣営は、泡沫(ほうまつ)候補のいない激戦区となっている上、台風19号と10月25日の大雨により選挙ムードが盛り上がりに欠ける中、地盤固めや浮動票の取り込みに力点を置く。被災地での活動手法はそれぞれで、対応に苦慮している。

 自民は4議席の確保に向け、現職4人が最終盤の戦いを続ける。投票率の低下が懸念される中、票の掘り起こしに躍起だ。鈴木智は投票率アップへ、地盤の小名浜地区を中心に票固めに懸命。矢吹貢一は約50の後援会組織をフル活用し、浮動票獲得などに奔走する。青木稔は個人演説会から街頭演説に戦術を切り替え地盤の平地区で票を固める。坂本竜太郎は最終盤、地元の勿来地区を中心に支持を訴える方針だ。

 国民の鳥居作弥は地盤の勿来、江名などでの遊説に加え、平中心部での街頭演説などで支持拡大を狙う。立憲の古市三久は全域を回り党幹部応援なども得てきたが、後半は草野地区など地盤の平北部に専念する。

 共産は党幹部を投入するなど2議席確保に全力を挙げる。吉田英策は内郷地区を重点に票固めに注力、平地区にも積極的に足を運ぶ。宮川絵美子は組織票を固めるほか、南部の市街地を重点に支持を訴える。

 公明は現職、新人を公認し2議席獲得を狙う。新人の真山祐一は台風被災地での活動をアピールしながら組織票固めに動く。現職安部泰男は植田、勿来、小名浜、常磐の4地区で遊説し、支持拡大に奔走する。

 社民の新人狩野光昭は台風被災地に入って選挙運動を展開。他候補の動きをにらみつつ票固めに走る。

 無所属の西丸武進は地盤の常磐地区のほか、泉、遠野地区など隣接地などで支持を訴える。

 【相馬市・新地町】現職の荒秀一と自民推薦の新人鈴木一弘が激しい一騎打ちを繰り広げている。荒が昨年の補選での支持者や相馬市西部の票を再度固める一方、鈴木は地元の相馬市東部や中心部での票獲得に手応えを示す。

 荒は市議5期と県議1年の政治経験と手腕をアピール。草の根運動を展開しながら、反自民票の取り込みも見据える。鈴木は国・県とのパイプによる実行力を訴える。多数の業界団体の支持で組織力を強め、沿岸部での浸透も強化する。

 相馬市議選、新地町議選との同日選で昨年の補選に比べ大幅な投票率向上が予想される。無党派層や新地町での得票も鍵を握りそうだ。