【福島県議選・最終盤の情勢】会津若松市、支持者の緩みに警戒

 

 【会津若松市】現職3人、新人2人が4議席を争う。党勢拡大を図る自民の2陣営は、各自の地盤や組織票を固めながら、支持拡大を目指して躍起だ。国民の2陣営は、7月の参院選への立候補に伴い辞職した元職の支援を受けて現有2議席確保を狙う。20年ぶりの議席獲得を目指す共産は、参院選の野党共闘をアピールし、無党派層の取り込みを目指す。

 自民の新人佐藤郁雄は、勤務する病院の運営法人の支援を受けるほか、地元城西地区や一箕地区を中心に浸透に懸命だ。自民現職の佐藤義憲は農業関係など保守層をまとめ、地元神指のほか町北、高野、北会津各地区で票の上積みを狙う。

 国民現職の渡部優生は地元の河東地区と労組を軸に、4年前に引退した元職の支援者を引き継ぎつつ、支持拡大を図る。同じく国民現職の宮下雅志は城北地区が地盤。個々の後援者をまとめ、社民党支部の支持も得て集票に走る。

 共産の新人古川芳憲は党組織票に加え、共産市議2人の地盤となる湊、城南両地区を足掛かりに支持の広がりを目指す。

 多くの陣営は投票率は過去最低の前回(43.03%)を下回ると予想、支援者の緩みも警戒している。

 【喜多方市・耶麻郡】今回から定数が1減の2となり、国民現職の瓜生信一郎、自民新人の江花圭司、現職の渡部信夫の3人が大票田・喜多方市と、引退する現職の地盤だった猪苗代町での集票に躍起だ。

 瓜生は建設業界や労働団体の支持を固めつつ、県政での実績を強調。旧市内で票の上積みに注力する。

 江花は連日の演説会で有権者と直接対話し、支持を広げる。教育問題などで若年層の支持を訴える。

 渡部は支援を受ける消防団や農業団体の支持を固めつつ、各地をくまなく回り幅広い支持につなげる。

 各陣営は投票率を60%前後か、それよりも下回ると予想。当選ラインを1万3千~5千前後とみるが、24年ぶりの選挙戦に得票を読み切れないでいる。

 【南会津郡】3選を目指す自民星公正と連合福島の支援を受ける新人渡部英明の一騎打ち。有権者の約4割を占める南会津町田島(東部)で集票合戦が展開されている。

 星は、パイプの太い建設業界や自民の組織力を武器に地元の同町南郷地域などの西部や只見町を中心に票を固める。渡部は国民、立民、社民から推薦を受け、労組を母体に選挙戦を繰り広げ、地元田島や下郷町で票の積み上げを図る。

 「(国、県と)住民とのパイプ役」を強調する星と、「停滞から躍動」を訴える渡部。最終盤を迎え、ともに無党派層などの票獲得に奔走している。