【福島県議選・最終盤の情勢】郡山市は定数1増、票奪い合う

 

 【郡山市】今回から定数が1増えて10となった議席を巡り、現職8人、新人5人の計13人が争う。阿武隈川流域を中心に甚大な被害をもたらした台風19号からの復旧に市民が力を注ぐ中、選挙への関心の低下が心配されており、各候補は有権者に選挙への参加を訴えながら、重なり合う地盤での票の奪い合いや、同じ政党同士での切り崩しなどで激しい選挙戦を繰り広げている。

 自民は前回より1人多い6人を擁立。鈴木優樹は若さと行動力を前面に押し出し、終盤は地盤の安積地区周辺での集票に注力する。佐藤憲保は最終日までに市全域を2巡し、企業でのミニ集会や街頭演説を重ねる。勅使河原正之は地盤とする大票田の市中心部に加え、市内全域での支持拡大を目指す。

 台風被害の深刻な田村地区を地盤とする山田平四郎は復旧に向けた政策を訴える。長尾トモ子は女性や子育て世代の票の取り込みとともに、地盤の富田地区を中心に票を固める。山口信雄は防災士の資格をアピールし、防災・減災のまちづくりを訴える。

 国民は3人が立候補。久保木豊は地盤の熱海地区に加えて、市全域への浸透を目指す。佐久間俊男は連合を軸に組織票固めを進めながら、地元の富久山地区を中心に集票を目指す。椎根健雄は教育や福祉の充実などを訴え、市北部などを中心に幅広い年代に支持を求める。

 公明の今井久敏は組織票を固めるとともに、地盤である市街地を主戦場に遊説を行い、上積みを狙う。

 共産の神山悦子は党組織と連動しながら自公政権への批判票の取り込みに力を入れる。

 飛田義昭は8年ぶりの議席を狙う社民の支持層に加え、地元の大槻町周辺を中心に地盤を固める。

 無所属の高橋翔は会員制交流サイト(SNS)などを活用し、若者票の掘り起こしを進める。