【福島県議選・戦いの跡】白河市・西白河郡 被災復旧対応重要

 
開票作業に取り組む白河市の職員ら=白河市中央体育館

 10日に投票が行われた県議選で、白河市・西白河郡、須賀川市・岩瀬郡、石川郡の3選挙区で新たに県議が決まった。前回無投票だった須賀川市・岩瀬郡以外の2選挙区では、矢吹町を除く全市町村で投票率が前回を下回った。新県議には、地域がこれまでに抱える課題に加え、台風19号の被災地復旧に向けた対応も求められる。各選挙区の戦いを振り返る。(県議選取材班)

 新人寄せ付けず現職3人当選

 【白河市・西白河郡】現職3人、新人1人による選挙戦。有力視されていた現職3人が当選した。

 昨年無投票だった無所属の三村博隆氏は初の選挙戦。矢吹町中心に西白河郡で票を伸ばしトップ当選した。

 自民の渡辺義信氏は白河市で約6200票を得て西白河郡で偏りなく集票した。自民の満山喜一氏は大票田の白河市で最多の約7700票を獲得した。無所属の金山屯氏は街頭演説に注力したが、浸透させることができなかった。

 選挙熱が高まりきらず、西郷村の投票率が10選挙区で最も低い31.19ポイントだった。

 8年ぶり選挙、自民が2議席

 【須賀川市・岩瀬郡選挙区】8年ぶりの選挙戦は新人の渡辺康平と水野透の両氏の当選で自民が2議席を獲得した。

 現新6人が3議席を争う激戦となったが、投票率は8年前を3.32ポイント下回る44.48%にとどまった。トップは6選を果たした国民現職の宗方保氏で7326票。渡辺氏が宗方氏に次ぐ7093票を得た。渡辺氏は地元須賀川市で最多の5939票を獲得。同じく地元の宗方氏に14票差を付け、存在感を示した。

 水野氏は同市出身ながら鏡石町、天栄村で得票を伸ばし、3番手に食い込んだ。

 現職が競り勝つ

 【石川郡】1議席を巡る3氏の戦いは、無所属現職の円谷健市氏が200票差で競り勝つ激戦となった。

 円谷氏は玄葉光一郎衆院議員後援会を柱に選挙戦を展開した。台風19号の被害が大きかった石川、玉川、浅川の3町村で最多票を得ており、有権者が現職に復旧への望みを託した形となった。

 自民新人の大野峯氏は党組織を生かして知名度浸透を図り、平田村、古殿町で善戦したが、わずかに届かなかった。