【福島県議選・戦いの跡】福島市選挙区 自民は議席拡大ならず

 
福島市選挙区の開票作業=10日午後9時35分ごろ、福島市・NCVふくしまアリーナ

 【福島市選挙区】8議席を争った10日投開票の県議選福島市選挙区には、現新合わせて10人が立候補し、現職7人、新人1人が当選した。投票率は41.47%で4年前より3.97ポイント低下する中、地盤を核に組織固めを徹底した現職が強さを発揮し、上位で当選した。(県議選取材班、文中敬称略)

 自民は党勢拡大を狙い現新5人を擁立したが議席拡大はならず、国民民主、共産、公明、立憲民主、社民5党の現職が守った。

 自民現職の西山尚利は地盤の市西部を手堅くまとめ、1万3371票を獲得してトップ当選した。共産現職の宮本しづえは党組織票を固め、遊説を中心に反自民票を取り込んで3選。公明現職の伊藤達也は森合地区などの地盤を軸に地元市議と集票を図り、再選した。

 社民現職の紺野長人は自治労などを核に組織票をまとめ、党唯一の議席を守った。自民現職の佐藤雅裕は議員活動で築いた支持団体を軸に票を上積みし、前回から1300票以上の躍進。立民現職の高橋秀樹は連合福島や労働組合などの集票を図り、4選を果たした。自民新人の渡辺哲也は元職の地盤・市北部や新聞記者時代の人脈を生かして票を集め、初陣を飾った。国民現職の大場秀樹はNPO関係者や市議らの応援で票を固め、議席を守り抜いた。

 一方、自民現職の丹治智幸は松川地区を足掛かりに精力的に街頭演説を展開したが、一歩届かなかった。自民新人の誉田憲孝は市北東部の地盤を固めながら支持拡大を狙ったが、及ばなかった。当落の明暗は63票差で分かれた。8000票台に4人がひしめき、当落情勢は開票終盤までもつれる接戦だった。