「福島県議選」19歳投票率17.45% 18歳選挙権導入後最低に

 

 第19回県議選(11月10日投開票)で19歳の投票率が17.45%にとどまり、「18歳選挙権」が導入された2016(平成28)年以降の国政選挙や知事選など全県規模の選挙で最低となった。これまで最も低かったのは昨年行われた第21回知事選の19.84%。県議選では学校で主権者教育を受けた20~24歳も17.69%と20%を下回り、高校卒業後の若い世代の「選挙離れ」が改めて浮き彫りとなった。

 県内では19歳で投票率が下がった後、年代を重ねるごとに上昇する傾向が続いている。県選管は、投票所を開設する市町村選管の協力を得ながら買い物のついでに期日前投票を行える商業施設の数を増やすなど、投票率アップへ「有権者が投票しやすい環境整備を進めたい」としている。

 「18歳選挙権」が導入されてから初の県議選となったため、直近の第25回参院選(7月21日投開票)と比べると19歳の投票率は7.87ポイント低下した。18歳は2.50ポイント減の34.04%にとどまり、低下幅は19歳よりも小さかった。

 また25~29歳が22.54%、30~34歳が25.52%、35~39歳が28.62%と18歳を除く30代以下で30%を下回り、30代以下では「子育てに関することなど社会に対する関心が高い」(県選管)ことを理由に女性の投票率が男性を上回った。年代別で最も高かったのは75~79歳の60.45%。全体の投票率は過去最低の41.68%だった。

 県選管は、県議選の投票率が総じて低下した理由について▽台風19号災害の影響▽19選挙区中9選挙区で無投票▽立候補者数が75人と過去最少を更新―したことなどを挙げながら、投票終了時刻(午後8時まで)を繰り上げている投票所の開設時間の見直しなども必要になる、としている。

 若者向け施策必要に 正副議長

 若者の投票率が低い現状について、10日の12月定例県議会で議長に就いた太田光秋氏は「これからよく分析していかないといけない。投票率向上や若者に投票に行ってもらう施策を考えなければならない」と述べ、具体的な取り組みが必要との認識を示した。

 太田氏は過去最低の投票率となった県議選について「災害などの影響もあったかと思うが、それだけではない。投票率がどんどん低くなってきていることは事実」と指摘。「(県議会として)若者に理解してもらえることをつくり上げることが大切」と述べた。

 副議長に就いた長尾トモ子氏は「政治と教育をただ分離するのではなく、どういった対応が有効かを日本全体で考える必要がある」と語った。候補者が積極的に若年層に政策を訴えることに加え、教育現場では、子どもたちが候補者の訴えを知ることができるような機会の確保が必要との考えを示した。