「新型コロナ」8町村議選に影 握手自粛...距離感に悩む候補者

 
街頭で有権者と握手を交わす候補者(右)。感染防止に細心の注意を払い、握手を自粛する候補者もいる

 新型コロナウイルスの感染拡大は、22日の投開票に向け選挙戦を繰り広げる県内8町村議選にも影響を及ぼしている。有権者との握手の自粛や集会の中止―。現職、新人を問わず、各候補者は有権者との距離感に頭を悩ませている。

 「細心の注意を払って行動する」。矢祭町議選に立候補したある候補は通常通り街頭演説に臨んでいるものの、手袋や演説用マイクにかぶせるガーゼを毎日交換するなど、感染予防に万全を期す。外を歩くスタッフにも除菌スプレーなどを配布したという。

 富岡町議選に立候補した中堅の現職候補は「お互いの感染予防のため、距離を保つことを意識している」と話し、遊説時も町民に軒先に出ないよう呼び掛け、自宅内で訴えに耳を傾けてもらうなど腐心する。会津坂下町議選に立候補した現職候補の一人も「今の社会情勢では有権者と握手できない」と戸惑いを隠せず、事務所入り口にアルコール消毒液を置いたり、ミニ集会を自粛するなどの対応を取っている。

 ただ、古殿町議選に立候補したある新人候補は「求められたら握手せざるを得ない」と悩みを吐露する。一方、別の陣営の関係者は県内で市中感染が確認されていないことから「特に対策を取る予定はない」と"普段通り"を強調した。

 各選管、投票所や開票作業で感染防止策

 投票所を開設する各選管も、アルコール消毒液の設置や開票作業でのマスク着用など感染防止のための対応を急ぐ。塙町選管は町内の各家庭に設置してあるテレビ電話を活用し、投票所に大勢でまとまって行くことを控えるよう通知。会津坂下町選管は選挙事務従事者にマスクを着用させる方針で、担当者は「有権者が使用する机なども小まめに消毒したい」としている。