現職・松本幸英氏が「無投票」3選 楢葉町長選、重点施策推進

 
3選を果たし支持者から花束を贈られる松本氏(中央)。右は妻美智代さん

 任期満了に伴う楢葉町長選が7日告示され、無所属で現職の松本幸英氏(59)=2期=のほかに立候補の届け出がなく、無投票で3選を果たした。同町長選が無投票となるのは2004(平成16)年以来16年ぶり。

 松本氏は、復興の加速化に向け教育、農業、スポーツ振興と健康増進の三つの重点施策を推進してきた。3期目は屋内体育施設を核としたスポーツ競技の合宿誘致などソフト面の施策強化を図る。

 当選証書付与式は13日午前9時から町役場で行われる。任期は30日から4年。

 実行力有権者の信任 

 震災と原発事故から10年目に迎えた楢葉町長選。無投票で3選を決めた現職松本幸英氏(59)は、教育、農業、スポーツ振興と健康増進の三つの重点施策を"目に見える形"で進めた実行力が有権者の信任を得た。

 2期目はハード面の整備に力を注いだ。浜通りで最大規模の屋内体育施設を造り、新たな主力作物のサツマイモを安定出荷できる貯蔵施設も建設中だ。

 相次ぐ公共施設の誕生に財政負担を懸念する声もあった。ただ「震災前以上の発展には大胆な発想が必要」(商工関係者)と町政継続への期待感が勝った。

 避難指示の解除から4年半が過ぎたが、町内居住者数は人口の5割台にとどまる。ハード整備の効果を発揮し帰還促進と活性化に結び付けられるか。その真価が問われる3期目となる。