川内村長に現職・遠藤雄幸氏「5選」 新人・志田氏726票差破る

 
5選を果たし万歳する遠藤氏(中央)。左は妻ゆう子さん

 任期満了に伴う川内村長選は12日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属で現職の遠藤雄幸氏(65)=4期=が無所属で新人の元村議志田篤氏(71)を726票差で破り、5選を果たした。任期は25日から4年。

 選挙戦は2012(平成24)年以来8年ぶりとなった。復興・創生期間の終了を見据えた村づくりが争点となる中、遠藤氏は若い世代の帰還の促進に向け教育の魅力向上や子育て支援策の充実を訴えて支持を集めた。

 投票率は75.13%で、12年の村長選を7.3ポイント下回り過去最低となった。当日有権者数は2260人(男性1162人、女性1098人)。

 当選証書付与式は13日に村役場で行われた。

 教育の魅力向上訴え

 現職と新人の一騎打ちとなった川内村長選は、4期16年の取り組みの実績を掲げた現職の遠藤雄幸氏が大差で制した。

 新型コロナウイルス感染症の影響で、現職、新人ともに有権者に直接支持を訴える活動を自粛、政策の浸透に腐心した。遠藤氏は小中一貫義務教育学校の設立やワインを柱にした新産業の創出などを掲げた。後援会組織をフル稼働し「希望ある将来像を明確にした」(選対幹部)戦略で、若い世代の支持拡大につなげた。

 志田篤氏は告示日の1週間前に出馬を表明。福祉の充実や権力の集中など多選の弊害を訴えたが、批判票を取り込みきれなかった。

 震災、原発事故による全村避難を経て村民の約8割が村に戻ったが、高齢者の割合は4割強と震災前を上回る。実効性がある若い世代の帰還促進策と移住政策に村民の関心は高まる。遠藤氏が5期目の旗印とする「挑戦と創造」の実行力が問われる。

◇川内村長選開票結果(選管最終、敬称略)
当1,194 遠藤 雄幸 65 無現
   468 志田  篤 71 無新