「いわき市議選」演説や集会見送り...コロナ禍で手応えつかめず

 
コロナ禍の中行われるいわき市議選の期日前投票所。ビニールのついたてや消毒液を設置するなどの対策が取られている

 任期満了に伴う13日投開票のいわき市議選は、定数37に対し41人の候補者がしのぎを削る。新型コロナウイルスが感染拡大して以降、県内ではさまざまな選挙が行われてきたが、候補者の数などからみると最大規模の選挙戦となる。各陣営は、コロナ対策として通常の選挙ではおなじみの個人演説会や総決起集会の開催を見送るなど、前例のない戦いに臨んでいる。

 「一定程度地盤のある現職と比べ、新人は圧倒的に不利だ」。ある陣営は情勢を分析する。新人候補者の多くは、告示までにイベントなどを通じて有権者に顔を売り、支持を呼び掛ける青写真を描いていたが、コロナ禍で立ち消えになった。ある新人候補陣営関係者は「本来であれば告示前に地盤を固めておきたかったが、告示後も地元を回っている状況だ」と明かす。

 個人演説会などを開くことができないため、多くの陣営は選挙カーによる遊説が主な活動になっている。別の現職陣営関係者は「人が集まる機会がないので、どれだけの支持を得られているかを読むことが難しい」と頭を悩ませる。

 現職陣営も感染拡大後に市政報告会などを自粛しており、実績を伝える場を失い焦りを募らせる候補者もいるという。ある現職陣営関係者は「今回の選挙は広く浅く支持を求めるのは有効ではない。地盤固めが重要だ」と分析する。

 2016(平成28)年の前回市議選の投票率は46.66%で過去最低。市選管は「コロナが今回の投票率にどれだけ影響するかは見通せない」とする。7、8日の2日間の期日前投票者数は、前回同期比で621人増の7405人だった。市選管は「制度の周知に加え、密を避けるための期日前投票を勧めており、一定の効果があった」とみている。