生活環境整備など焦点に選挙戦 葛尾村長選・エール終盤の情勢

 

 任期満了に伴う葛尾村長選は、25日の投開票に向け終盤戦に入った。いずれも無所属で、再選を目指す現職の篠木弘候補(69)=1期=と新人でIT広告会社経営の高橋翔候補(32)は、2016年6月に大半の地域で避難指示が解除された村の生活環境の整備や農畜産業の再生などを焦点に選挙戦を繰り広げている。

 篠木候補は「自助・共助・絆の村づくり」を掲げ、村政継続による古里復興をアピール。村内全域を巡り、帰還困難区域の早期解除などを訴え、票固めを進める。さらに村民の多くが今なお避難生活を続ける三春町の復興公営住宅も訪れ、支持拡大を図る。

 高橋候補は村の30年後を見据え、自動運転や無人航空機ドローンなどの先端技術を導入した人口減少対策を提唱。動画投稿サイトや会員制交流サイト(SNS)などを活用した情報発信で、村外避難者や若年層を中心とした票の掘り起こしに力を注いでいる。

 コロナ禍で有権者に直接支持を訴える活動を自粛しながらの選挙戦で有権者の関心は低調。両陣営は投票率について前回選挙戦となった12年村長選の93・36%を下回る70%前後とみる。