郡山市長選3選・品川萬里氏に聞く 新型コロナ対策「創意工夫」

 
品川萬里氏

 18日に投開票が行われた郡山市長選で、3選を決めた現職の品川萬里氏(76)は、他市町村との広域連携や防災対策強化などを図り、市勢発展につなげていく考えだ。市民から再び負託を受けた経済県都のリーダーに抱負などを聞いた。(聞き手・編集局長 小野広司)

 ―3期目の抱負を。
 「引き続き市長の任に就いてよいという判断をいただき、改めて緊張した思いを抱いている。常に『1期目の市長』という覚悟で初心を忘れずにいたい」

 ―新型コロナウイルス対策を図りながらの選挙戦で感じたことは。
 「市民から直接お話を聞く大切さを改めて痛感した。市役所では窓口業務の効率化を図っているが、そこで生まれた時間を有効活用し、私も職員も直接市民の皆さんの話を聞く時間に充てていきたい」

 ―今後の新型コロナ対応についての考えは。
 「感染対策は3密回避や黙食などを生真面目に実行していくほかない。新しい生活様式を共有していくことが最も肝心だ。ワクチン接種でも予期せぬ事態があると思うが、それぞれの現場を尊重して創意工夫しながら対応していく」

 ―新型コロナに加え災害も続いている。防災対策をどのように進めていくか。
 「一昨年の東日本台風で氾濫した阿武隈川については現在、下流から河道整備が着々と進んでいる。阿武隈川の改良は(支流の)逢瀬川などにも大きく関わってくる。国や県に対して現場の状況や市民の声を報告し、最善の措置を取ってもらえるようにしていく。同時に、整備が進む阿武隈川の現状を広く発信していきたい」

 ―(市街地中心部で開成山に隣接する)豊田貯水池の跡地利用も課題だが、どのように考えているか。
 「市民の考えはさまざまだと思っている。自然環境が持つ機能を防災に生かす『グリーンインフラ』が注目されており、豊田貯水池もそういった役割を果たすことが期待できると考える」

 ―こおりやま広域圏の中核を担う郡山市の役割は。
 「広域圏を構成する16市町村の連携でキーワードにしているのが『交信』『交易』『交通』の三つの『交』だ。これからはデジタル時代の高速交通網と高速通信網、それらを利用したビジネス(交易)の在り方を考えていくことが、郡山にとっても周辺市町村にとっても有益だ。広域圏では(災害時に相互に支援する)対口(たいこう)支援の体制整備も進めている。互いにプラスになる政策を進めていくことが大切だと思う」

 ―経済県都・郡山の経済活性化をどう進めるか。
 「居住人口は減少している一方、個人所得と企業業績は税収から逆算すると右肩上がりで成長しており、経済状況は伸びているとみることができる。人口減にあっても『3交』の増加で解決、緩和していくことが可能だ。郡山は多くの大企業が創業、もしくはここで競って大きく伸びた街でもある。『スタートアップの街』としての活気を大切にしたい」