町の信頼回復など争点に2氏舌戦 会津美里町長選・終盤の情勢

 

 前会津美里町長の逮捕、辞職に伴う出直し町長選は、25日の投開票に向け終盤戦に入った。届け出順にいずれも新人の、元県議杉山純一氏(63)と前副町長鈴木直人氏(65)の両候補が、前町長らの官製談合事件で失墜した町の信頼回復や人口減少対策などを争点に舌戦を繰り広げている。

 杉山候補は、県議時代に築いた県との太いパイプを強調。新規就農者の支援や、定住者の増加へ町有地の活用などを訴える。町内に張り巡らせた後援会の組織力を生かし、新たな支持者を掘り起こして票の上積みを図る。

 鈴木候補は、長年の行政経験をアピールする。雇用創出の安定や健康で安心な地域づくりを公約に掲げ、幅広い年代からの支持獲得を狙う。出馬に当たって要請を受けた半数以上の町議が持つ票を、着実に重ねたい考え。

 投票率については、両陣営ともに65~75%と予想。合併以降初の選挙戦となる町長選であることや前町長の事件を受けた注目度の高さから、2017(平成29)年の町議選での投票率63.97%と同程度かそれ以上になるとみている。有権者の半数以上を占める高田地区の浮動票を、いかに獲得できるかが勝敗の鍵を握りそうだ。