杉山氏、強固な後援会を活用 会津美里町長選・戦いの跡

 

 前町長の辞職から投票まで2カ月弱の短期決戦となった会津美里町長選は、元県議杉山純一氏が前副町長鈴木直人氏との一騎打ちを制した。

 杉山氏は前町長の辞意表明後、3月中旬に立候補を表明。県議時代からの強固な後援会組織を最大限に活用し、いち早く準備を進めた。県議会議長、自民党県連幹事長を務めた知名度に加え、定住者の増加へ町有地を活用する独自策や教育環境充実などを訴え、票を積み重ねた。大票田の旧会津高田町出身ということも有利に働いたとみられる。

 半数以上の町議の要請を受けて出馬した鈴木氏は豊富な行政経験を強みに、雇用安定や交流人口創出を訴えたが及ばず。町議の持つ票がそのまま鈴木氏に流れなかったとの見方もある。

 人口減少という特効薬がない課題に加え、官製談合事件を受けた綱紀粛正にどう取り組むか。杉山氏には、町民の負託に応えた速やかな対応が求められる。