新人・古川氏が無投票初当選 会津坂下町長選、財政の健全化へ

 
無投票で初当選し、花束を手にする古川氏と妻郁子さん

 任期満了に伴う会津坂下町長選は1日告示され、無所属新人で前町議会議長の農業古川庄平氏(67)のほかに立候補の届け出はなく、古川氏が無投票で初当選を果たした。町長選が無投票になるのは2011(平成23)年以来10年ぶりで、新人の無投票当選は初めて。

 古川氏は財政の健全化を図りながら、若者が活躍できる新しいまちづくりの推進や人づくり・少子化対策支援、町民の健康増進、産業の一層の振興などに取り組む考えを強調した。

 当選証書付与式は7日午前10時から町役場で行われる。任期は16日から4年。

 「財政再建」手腕に期待

 【無投票の軌跡】会津坂下町長選は、町議として長年町政をただしてきた古川庄平氏(67)の手腕に対する期待が集まり、無投票での当選となった。

 進退が注目された現職の斎藤文英氏(69)=2期=は3月に今期限りでの退任を表明し、古川氏はその約1カ月後に立候補の意思を固めた。議長6年を含めて町議5期20年務めた実績が評価され、古川氏への支持が広がり、対抗馬を立てる動きは表面化しなかった。

 2019年度決算では、歳入に対する借金返済の割合を示す「実質公債費比率」は県内市町村で2番目に高い13.3%。財政が逼迫(ひっぱく)する中で老朽化した町役場の新庁舎建設や温泉保養施設「糸桜里(しおり)の湯ばんげ」の在り方など課題が山積する。古川氏には早速、難しいかじ取りが求められる。その対応を町民は注視している。