「復興の加速化」争点に舌戦を展開 富岡町長選・終盤の情勢

 

 任期満了に伴う富岡町長選は、25日の投開票に向け終盤戦に入った。届け出順に、いずれも無所属の新人で、元会社員藤沢道徳候補(54)と元町議山本育男候補(62)が、東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域の再生を含め復興の加速化を争点に舌戦を繰り広げている。

 藤沢候補は、対話を重視した町民参加型の町政運営の実現を訴える。買い物環境や公共交通網の充実など住民の生活に密接に関わる課題の解決に取り組む姿勢を示し、幅広い年代からの支持獲得を狙う。

 山本候補は、町議5期の実績を踏まえ「即戦力」をアピールする。移住生活を体験できる環境の整備や、町のシンボルの桜を生かした新たな観光資源の開発などを掲げ、票の上積みを目指している。

 投票率について、両陣営は過去最低だった前回の52.02%をさらに下回る45%前後と想定。当選ラインは3千票とみる。現在も有権者の多くが避難生活を送っているいわき、郡山両市でいかに関心を引き寄せ、支持拡大を図れるかが鍵を握りそうだ。