各陣営、票の上積みへ訴えに熱 いわき市長選・終盤情勢

 

 任期満了に伴い行われるいわき市長選は、5日の投票に向けて終盤に入った。いずれも無所属で、3選を目指す現職の清水敏男候補(58)=2期=と、新人で元衆院議員の宇佐美登候補(54)、元文部科学省室長の内田広之候補(49)、前常磐共同ガス社長の猪狩謙二候補(59)の4人が、市内各地で遊説を重ね、有権者への訴えが熱を帯びている。

 各陣営は新型コロナウイルス感染拡大で投票率は前回の49.13%から低下するとみる。想定投票率と当選ラインは、清水陣営が40%前後で3万5千~4万票、宇佐美陣営は46%で4万4千票、内田陣営は45%前後で4万票超、猪狩陣営は42~43%で4万票とした。

 清水候補は、全域をくまなく遊説して、1日20~30回の街頭演説で2期8年の実績を訴えている。磯上佐太彦選対本部長は「接戦で厳しい状況」と情勢を分析した上で「新型コロナの影響で集会を開けないため、街頭活動や電話作戦を続けるしかない」と話す。

 宇佐美候補は、1日50カ所を目標に街頭演説を行い、政策浸透を図る。松原基勝選対本部長は前回市長選で広がった支持に「いかに浮動票を上乗せできるか」を重視する。終盤戦も大票田の小名浜や勿来など南部のほか、郊外を巡り、市政の刷新を訴える。

 内田候補は、感染症対策のため、街頭演説に人を集めず短時間で政策を訴える。阿部宏太郎選対本部長は「本当は人を集めたいがこの状況では難しい」とする。対面での政見訴えが難しい中、会員制交流サイト(SNS)での発信にも力を入れ支持拡大を図る。

 猪狩候補は、これまでの街頭演説で、無党派層への支持の広がりに手応えをにじませる。終盤も各候補がしのぎを削る平、小名浜、勿来を重点に巡る方針。佐藤和美選対本部長は「一人でも多く有権者に投票所に足を運んでもらえるよう最後まで訴える」と話す。