現職・三保恵一氏が無投票4選 二本松市長選、地域経済再生へ

 
4期目の当選を祝い、万歳する三保氏と妻幸恵さん=21日午後6時ごろ、二本松市

 任期満了に伴う二本松市長選は21日告示され、無所属で現職の三保恵一氏(72)=3期=のほかに立候補の届け出がなく、無投票で三保氏の4選が決まった。同市長選が無投票になったのは2005(平成17)年の合併新市施行後、09年以来2度目。

 三保氏は引き続き、新型コロナウイルスから市民の命と健康を守り、地域経済再生を図る。また、今後10年の方向性をまとめた市総合計画の政策を推進し、市の将来像「笑顔あふれる しあわせのまち 二本松」の実現に取り組む。

 当選証書付与式は29日午前9時から市役所で行われる。4期目の任期は12月25日から4年。

 批判的な声にも十分耳を

 【無投票の軌跡】二本松市長選は、現職の三保恵一氏(72)に対抗する勢力の候補擁立が不調に終わり、2009(平成21)年以来2度目の無投票となった。

 三保氏は3期目の4年間、返り咲きを果たした前回選挙の公約実現に力を入れ、二本松駅南地区や安達駅、杉田駅周辺整備をはじめ待機児童解消などを実行に移した。併せて新たに10地区で後援会を発足させるなど、支持基盤を強化した。

 一方、三保氏に批判的な自民党市議を中心に対抗馬擁立が模索されたが、現職陣営が基盤を固める中で難航。「批判票の受け皿が必要」として現職批判を強めた市議らの名前が挙がったが、擁立には至らなかった。

 選挙は、候補者が政策を戦わせ、投票で有権者の負託を受けるのが本来の姿だが、今回は有権者の意思を示す機会が失われた。三保氏には批判的な市民の声にも十分に耳を傾け、採択すべき提案を市政に反映させる姿勢が一層重要になる。(二本松支社・高橋裕三)