現職・元職...激戦 浮動票取り込みに力、南相馬市長選・中盤情勢

 
届け出順に右から門馬和夫候補と桜井勝延候補

 23日投開票の南相馬市長選は17日、折り返しを迎える。届け出順にいずれも無所属で、現職の門馬和夫候補(67)=1期=と、元職の桜井勝延候補(66)が激しい選挙戦を繰り広げている。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で両陣営とも総決起大会を中止。個人演説会も行わず、市内全域に選挙カーを走らせ、大票田の原町区など各地で街頭演説で支持を呼び掛けている。また、会員制交流サイト(SNS)も駆使して若年層や子育て世代を中心とした浮動票の取り込みに力を入れている。

 門馬候補は「継続で、さらに前進」を掲げ、新型コロナ対策など1期目の実績を強調。子育て環境の整備など重点政策を訴え、支持拡大を図っている。平田武選対本部長は「4年間の実績をしっかりと有権者に伝えたい」と話す。

 桜井候補は「命を守り、未来を築く」を掲げ、福島医大との連携強化による医師確保などを主張。草の根で、現職に批判的な勢力の結集を図る。島国義選対本部長は「若者への浸透が鍵。最後まで気を引き締めて戦い抜く」と語る。

 原発事故に伴う住民避難を考慮し、2018年の前回に続き選挙期間は10日間に延長して行われている。両陣営とも避難などで、市外に住む3290人の有権者に対し、地縁や血縁などを頼りに投票を呼び掛ける戦術で票の上積みを狙う。