南会津町長に新人・渡部正義氏 元職に2168票差をつけ初当選

 
初当選を果たし万歳する渡部氏(右)と妻弥生さん

 任期満了に伴う南会津町長選は24日、投票が行われ、即日開票の結果、新人の元副町長渡部正義氏(63)が6048票を獲得し、元職の湯田芳博氏(71)に2168票差をつけ初当選を果たした。任期は30日から4年。

 子育て支援や人口減少対策をはじめ、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済支援などが争点となった。渡部氏は迅速なワクチン接種や保育料負担軽減を訴え、支持を集めた。

 投票率は80.95%で前回を1.46ポイント下回り、過去最低となった。当日有権者数は1万2472人(男性6106人、女性6366人)。

 当選証書付与式は25日、町役場で行われる。

 役場時代の実績強調

 【戦いの跡】新人と元職の一騎打ちとなった南会津町長選は、新人の元副町長渡部正義氏が元職の湯田芳博氏を破り初当選を果たした。

 少子高齢化対策や子育て支援、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受ける地場産業への経済支援策などが争点となった。

 渡部氏は町職員や副町長の実績を強調。0~2歳児の保育料負担軽減やIターン、Uターン促進などを強調し、街頭演説を重ねた。現職が引退を固めたことを受け、今年に入ってから町職員OB会の支援を受けながら水面下で票固めに動き始めた。3月の出馬表明後は、各地域や関係者の元へ小まめに足を運び支持を広げた。

 湯田氏は交流サイト(SNS)なども駆使し、子育て世代の票掘り起こしを図ったが、届かなかった。

 町は65歳以上が4割を超え、高齢化が進む。課題が山積する中、具体的な町の未来像を示せるか、手腕が問われる。(南会津支局・中田亮)