内堀知事「本県喫緊の課題傾注」 任期満了半年、出馬明言せず

 
定例会見で課題に全力を尽くすと語った内堀知事

 内堀雅雄知事(58)の11月11日の任期満了まで、11日で半年となる。今秋の知事選に向け内堀氏は現時点で態度を明確にしておらず、県内各党は目下、夏に控える参院選に集中しているのが実情だ。内堀氏は再選を果たした前回、知事選まで残り4カ月に迫った6月定例県議会で出馬を表明しており、3期目への立候補が濃厚とみられる中、決断のタイミングが注目される。

 「本県が直面する喫緊の課題に日々、傾注している」。9日の定例記者会見で3期目への考え方を尋ねられた内堀氏は、こう述べるにとどめた。新型コロナウイルス感染症や震災、原発事故への対応、3月の地震からの復旧・復興、急激な人口減少など、本県が抱える課題を挙げた上で「さまざまな受け止め方もあろうが、私自身は課題(解決)に全力を尽くしていく」と強調した。

 14日には福島市で内堀氏の政治資金パーティーが予定されている。過去2度の知事選で内堀氏を支援している自民党県連は3月の定期大会で、内堀氏の3選出馬を念頭に置いた特別決議を採択しており、パーティーでは改めて、内堀氏に出馬を促すとみられる。

 内堀氏を「県政与党」として支える立憲民主、社民、国民民主各党県連、県議会会派の県民連合、連合福島でつくる「5者協議会」は、内堀氏の態度表明を待って支援に向けた協議に入る方針。1月には連合福島の今野泰会長が、内堀氏に事実上の出馬要請をしている。

 公明党県本部も復興・創生に関する施策を中心に内堀氏の県政運営の手腕を高く評価する。ただ、各党とも目前に迫る参院選に向けた臨戦態勢に入っており、知事選への対応は参院選後に本格化する見通しだ。

 共産党県委員会や県労連などでつくる「みんなで新しい県政をつくる会」は知事選に候補者を擁立する方針を決定。町田和史共産党県委員長は「処理水の海洋放出方針を巡る対応など、現状は『変えるべき県政』と考えている」と強調し現在、候補者の選考作業を進めている。また、前回も出馬した郡山市の会社経営男性(34)が昨年12月、無所属での立候補を表明している。

 知事選は、公選法で満了日前30日以内の実施が定められている。選挙運動期間は17日間。このため「10月6日告示―23日投票」「10月13日告示―30日投票」「10月20日告示―11月6日投票」のいずれかの日程で行われる公算が大きい。