双葉郡の定数「2」維持へ 福島県議選、各会派が最終調整

 

 来秋予定の次期県議選を巡り、県議会各会派は選挙区別の定数を現行のまま維持する方向で最終調整に入った。焦点だった双葉郡選挙区も定数2が維持される見通し。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興途上で多くの住民が避難を続けている状況を踏まえ、今後帰還を望む人ら住民の声を本県復興に反映させるには現行の枠組みの継続が必要と判断した。

 議員定数は5年に1度の国勢調査人口を基に検討する。県議会の議員定数等検討委員会はこれまで、現行の総定数58と19選挙区を維持する方針を決定している。

 これに2020年国勢調査人口を当てはめて単純計算すると、双葉郡選挙区は現行定数2が0となり、福島市といわき市が1増となる。両市の増分2を配分して双葉郡の定数を維持する場合、県内選挙区内の「1票の格差」は最大5.19倍となる。

 ただ、県議会では双葉郡の現状を考慮すべきとの意見が大半を占める。自民、県民連合、共産、公明の全会派は30日に開く検討委で、選挙区別定数の現行維持が妥当とする意見を提案する方針を固めている。

 検討委は6月定例会までに結論をまとめ、渡辺義信議長に答申する。