現職・大堀武氏が無投票再選 新地町長選

 
無投票で再選を果たし、万歳する大堀氏。左は妻優子さん

 任期満了に伴う新地町長選は23日告示され、現職の大堀武氏(71)=1期=のほかに立候補の届け出はなく、大堀氏が無投票で再選を果たした。町長選が無投票となるのは、2014(平成26)年以来8年ぶり。

 大堀氏は、昨年2月と今年3月の地震からの復旧に引き続き取り組む。子育て支援や高齢者の見守り活動、防災・減災対策などを進め、安全・安心に生活できる基盤づくりに努める。

 当選証書付与式は29日午前10時から、町役場で行われる。2期目の任期は9月26日から4年。

 着実な町政運営評価

 【無投票の軌跡】8年ぶりに無投票となった新地町長選は元町職員の経験を生かして着実に町政運営を進めた大堀武氏(71)が信任される形となった。

 大堀氏は6月議会で立候補の意思を問われたが、災害対応などを理由に即答は避け、出馬表明が告示まで1カ月前の7月下旬にずれ込んだ。前後して対抗馬擁立の動きも収まり、情勢は無投票へと一気に傾いた。

 町は2年続けて地震に襲われ、下水道管の修理など復旧は途上だ。一方、防災集団移転元地の利活用など東日本大震災がもたらした課題も残る。住民の間には生鮮食品を扱う商業施設の誘致など生活の利便性向上を求める声も少なくない。

 少子高齢化に加え、災害が相次ぐ中、将来に向けて住民の生活環境をどのように維持していくか、大堀氏の手腕が問われる。(相馬支局・丹治隆宏)