共産系、草野氏出馬へ 福島県知事選、現職に複数新人挑む構図

 

 10月13日告示、同30日投票で行われる知事選で、共産党県委員会や県労連などでつくる「みんなで新しい県政をつくる会」は28日、新人で郡山地方労連副議長の草野芳明氏(66)=須賀川市=の擁立を発表した。告示まで2週間に迫る中、3選を目指す現職に複数の新人が挑む構図が固まってきた。

 草野氏は共産の推薦を受け、無所属で立候補する見通し。28日、県庁で開いた記者会見で、草野氏は東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針について反対の姿勢を示した上で「内堀知事は県民の立場に立って反対の意思表明をしていない」と批判し、「この県政の在り方に終止符を打たないと真の復興はありえない」と強調した。

 草野氏は郡山市出身。福島大教育学部卒。1979年に高校教諭となり、2017年に定年退職した。会見では県立高校改革にも触れ、「計画を凍結して見直す時間はまだある。そのためにも選挙戦を戦いたい」と決意を述べた。

 知事選を巡り、共産を除く自民、県民連合、公明の各県議会会派などの支援を受ける現職の内堀雅雄氏(58)は30日、福島市で事務所開きを行い、3度目の当選に向けて臨戦態勢に入る。新人はこれまでに草野氏に加え、会社経営の高橋翔氏(34)=郡山市=が立候補を表明。合同会社代表社員の鵜沼誠氏(43)=郡山市=が立候補の意思を固めているほか、大阪府在住の男性(68)=二本松市出身=が立候補を模索している。