【知事選・30代以下県民アンケート(下)】人口減・子育て最多

 

 30日投開票の知事選に併せて福島民友新聞社が30代以下の有権者100人を対象に行ったアンケートで、新知事に望む取り組みとして最も多かったのは「人口減少・子育て支援対策」だった。震災、原発事故の影響や出生率の低下などで県人口が180万人を割り込む中、若者が将来に不安を抱く現状が浮き彫りとなった。

 最多3割超、浜・中で多く

 新知事に望む取り組みとして「人口減少・子育て支援対策」に加え「物価高対策」「経済・雇用対策」「新型コロナウイルス対策」「原発・廃炉対策」「災害対策」「その他」の7項目から一つを選んでもらった。33人が「人口減少・子育て支援対策」を選択し、次いで「経済・雇用対策」の25人、「物価高対策」の19人となった。

 「人口減少・子育て支援対策」と回答した人のうち、白河市の30代男性は「既存の企画では本質的な解決にはつながらない。県として、しっかりとした指針を明示する必要がある」と指摘した。いわき市の20代男性は「空き家の活用を」、郡山市の30代男性は「東京、仙台へのアクセスの良さを生かして」と提案した。喜多方市の30代男性は「人口減少を食い止める方向の事業だけでなく、人口が減少しても豊かに暮らせる社会システムの構築にも注力を」と求めた。

 地域別にみると、浜通り、中通りで「人口減少・子育て支援対策」が最多となったが、会津は「経済・雇用対策」が最も多かった。猪苗代町の20代男性は「経済が回復すれば、ほかの問題も解決すると思う」とし、会津若松市の10代女性は観光客の増加に向けた取り組みを望んだ。

 また中通りは「物価高対策」が「経済・雇用対策」を上回った。郡山市の30代男性は「今、まさに商売に影響している」と悲鳴を上げ、伊達市の10代女性は「このまま物価高が続くと、新たな問題が発生すると思う」と懸念を示した。

 このほか「その他」として「革新的で将来性のある地方創生」(郡山市の30代男性)「農産業の発展」(会津若松市の10代男性)「教育」(白河市の10代女性)「インバウンド・観光資源への投資」(棚倉町の30代男性)「物流支援」(昭和村の20代男性)などの意見があった。

 「選挙に関心」7割超 「投票必ず」6割

 知事選に関心があるか尋ねたところ、「ある」が35人、「どちらかと言えばある」が37人の計72人となり、7割を超えた。「どちらかと言えばない」は21人、「ない」は7人だった。

 「ある」「どちらかと言えばある」と回答した割合を年代別にみると、30代が77%(30人)、20代が71%(30人)、10代が63%(12人)と若くなるにつれて割合が低下した。地域別では中通りが最も高く75%(42人)で浜通り70%(19人)、会津65%(11人)だった。

 また投票について「必ず行く」と答えたのは60人で、「なるべく行く」としたのは25人。10人は「多分行かない」、5人は「行かない」と答えた。「必ず行く」と回答したのは30代で77%(30人)に上った一方で、20代は57%(24人)、10代は32%(6人)にとどまった。

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 県民アンケート 各種選挙で投票率が低い若年層の関心を探ろうと、9月下旬~今月中旬に県内の18~39歳の有権者100人を対象に行い、男性54人、女性46人から回答を得た。地方別で浜通り27人、中通り56人、会津17人。年代別では10代19人、20代42人、30代39人。