県政継続か、転換か 福島県知事選きょう投開票

 
(右から届け出順)内堀雅雄候補、草野芳明候補

 任期満了に伴う第22回知事選は30日、投開票が行われる。いずれも無所属で、3選を目指す現職の内堀雅雄候補(58)=2期、福島市=と新人の郡山地方労連副議長草野芳明候補(66)=共産推薦、須賀川市=の両陣営は17日間にわたる遊説を締めくくり、有権者の審判を待つ。30日午後11時40分ごろには全市町村で開票が終了する見通しで、今後4年間の県政を担うリーダーが決まる。

 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故後3度目となった知事選は、2期8年の実績を踏まえ県政の継続を訴える現職に、県政の転換、刷新を目指す新人が挑む構図となった。内堀県政に対する評価や第1原発で発生する処理水の海洋放出方針をはじめとする復興施策、人口減や物価高対策などを主な争点に論戦が繰り広げられた。

 内堀候補は自民、県民連合、公明の県議会各会派に加え、農業や商工など各種団体の支援を受けて組織戦を展開。得票目標を前回より約1万票多い66万票に設定した。3選に向けて「復興と地方創生のために挑戦を『シンカ』(進化、深化、新化)させ続けていく」と訴えるとともに、街頭演説では地域ごとの細かな課題を挙げながら、現場主義を継続し課題解決に尽くす姿勢を示してきた。

 県労連や共産党県委員会などでつくる「みんなで新しい県政をつくる会」が擁立した草野候補は、第1原発で発生する処理水の海洋放出方針に反対する姿勢を強調。是非を示さない現県政を批判するとともに、広域遮水壁の設置や陸上タンクでの保管継続などの対策を掲げた。元高校教諭として教育分野への支援も掲げ、県教委が進める県立高校改革に反対するなど、県政の転換を訴えてきた。

 投票は30日午前7時から、県内1230カ所(埼玉県加須市を含む)で行われ、即日開票される。2010年以降の3度の知事選では投票率が40%台にとどまっており、両陣営が低下を懸念する有権者の関心も焦点の一つだ。

 12日現在の選挙人名簿登録者数は156万1993人(男性76万3472人、女性79万8521人)。