舌戦フィナーレ、両陣営が支持訴え 福島県知事選30日投開票

 

 知事選の選挙戦最終日となった29日、現職の内堀雅雄候補(58)、新人の草野芳明候補(66)の両陣営は、最後まで支持を訴えようと都市部を中心に県内を奔走。打ち上げ式などに臨み、復興施策や人口減対策などを訴えた17日間の舌戦の幕を閉じた。(上から下へ届け出順)

 内堀雅雄候補 県民の負託を必ず実現

 会津若松市を出発し、郡山市から中通りを北上、福島市中心部のさんかく広場で遊説を打ち上げた。

 県内全市町村をくまなく回った17日間で「多くの県民の負託を感じた」と振り返り「2期8年間の復興の前進、地方創生に一定の評価をしつつ、一方で今なお多くの課題がある。避難地域の復興や自然災害からの一日も早い復旧、農林水産業や観光業の風評払拭、急激な人口減少、新型感染症、物価高騰への対策などをしっかりやってくれ、という負託をいただいた」と強調。「その思いを真ん中に置いて今ここに立っている」と声を張った。その上で「県民の思いを3期目の4年間で一つ一つ実現していく。『被災の地』『原発事故の地』を『希望の地』に変え、『復興の地』をつくり上げていくためのベースをつくる。県民の皆さんの負託を必ず実現する決意だ」と訴え、支持者らとグータッチして感謝を伝えた。

 管野啓二総合選対本部長が激励し、ガンバローコールで気勢を上げた。

 草野芳明候補 処理水争点化に手応え

 新型コロナウイルスに感染し自宅療養する中、代理弁士を乗せた選挙カーが福島市から中通りを南下、郡山市のJR郡山駅西口で選挙戦を打ち上げた。

 東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針の是非を最大の争点に掲げ「反対」を訴え続けた選挙戦。元高校教師として県立高校改革の見直しや全県での給食費無料化も訴えた。「打ち上げの街頭演説ができなかったことは大変残念」と無念をにじませたが「処理水海洋放出問題を争点に押し上げるなど、手応えもある。皆さんの支援で最終日を迎えられたことに感謝したい」とのコメントが読み上げられると、集まった支持者から大きな拍手が沸き起こった。

 井上裕子選対本部長が「県民に冷たい県政か、県民に温かい県政か。最後の頑張りで草野知事を誕生させよう」、推薦する共産党の神山悦子県議団長は「国言いなりの県政を変えようと戦った。草野候補に海洋放出ストップの願いを託してほしい」と訴えた。