現職・内堀雅雄氏3選 福島県知事選、関心低く投票率42.58%

 
3選を果たし、支持者と万歳三唱する内堀氏。左は妻栄子さん=30日午後8時7分、福島市御山の選挙事務所

 任期満了に伴う第22回知事選は30日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属で現職の内堀雅雄氏(58)=2期=が、同じく無所属で新人の郡山地方労連副議長草野芳明氏(66)に大差をつけ、3選を果たした。内堀県政2期8年の評価が問われた中、県民は県政の継続を選択した。投票率は42.58%で、2018(平成30)年の前回(45.04%)を2.46ポイント下回り、過去2番目に低かった。内堀氏の3期目の任期は11月12日から4年。当日有権者数は154万8260人(男性75万5771人、女性79万2489人)。

 復興新段階へ問われる真価

 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故から3度目の知事選。発生から11年半が過ぎてもなお道半ばにある本県の復興に向けて、有権者は2期8年にわたり本県のかじ取り役を務めてきた内堀雅雄氏による県政の継続を求めた。

 内堀氏は今年6月、無所属での出馬を表明。選挙期間中の街頭演説では地域ごとの細かな課題を挙げながら現場主義の継続を強調した。自民、県民連合、公明の県議会各会派が支援を打ち出し、共産を除く「オール与党」で相乗りする過去2回同様の構図となった段階で3選の流れはほぼ固まり、陣営からは「過去最低の投票率(42.42%)は避けたい」「40%は超えたい」との本音も漏れていた。結果は過去最低をわずかに上回る42.58%。得票目標としていた66万票に、投票者数が届かなかった。

 対立候補の草野芳明氏は処理水の海洋放出方針に反対の姿勢を示し、是非を明確にしていない現県政を批判。過去2回、内堀氏を支援してきた社民党県連も処理水の対応などを踏まえ、今回は自主投票とした。ただ、福島民友新聞社が行った若年層アンケートでは是非について「どちらとも言えない」が半数近くを占めるなど「明確な姿勢」への支持は広がらなかった。

 今夏、県内の被災自治体で唯一の全町避難が続いていた双葉町でも特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が解除され、復興に向けた取り組みは新たな段階に入っている。相次ぐ自然災害や物価高、急速に進む人口減少など課題が山積する中、県民が求めたのは復興と同時に、喫緊の課題を克服し将来に希望を持てる本県の姿を示すことではなかったか。「復興と地方創生」を最大の課題に掲げて戦った内堀氏の真価が問われる3期目となる。(報道部・飯沢賢一)

◇福島知事選開票結果(選管最終、敬称略)
当576,221 内堀 雅雄 58 無現
  77,196 草野 芳明 66 無新
  (無効5,816、持ち帰り20)

 大票田伸び悩む 2番目の低さ

 投票率は42.58%(男性41.41%、女性43.70%)で、前回2018年の45.04%を2.46ポイント下回った。過去最低だった10年の42.42%を上回ったものの過去2番目の低さとなった。

 大票田の福島市(40.01%)と郡山市(37.44%)、いわき市(34.93%)で伸び悩むなど、50市町村で前回を下回った。

投票率