立憲民主、新2区に玄葉氏 次期衆院選、馬場氏は比例単独1位

 
(左から)馬場雄基氏、玄葉光一郎氏

 衆院小選挙区「10増10減」に伴い県内選挙区の定数が5から4に「1減」となる次期衆院選を巡り、立憲民主党は23日、県中の新2区の公認候補予定者となる支部長に、玄葉光一郎氏(59)=10期、旧3区=を選任した。郡山市など旧2区で活動する馬場雄基氏(30)=1期、比例東北=は比例東北ブロックの単独1位で擁立する。

 党本部が23日に開いた常任幹事会で次期衆院選に向けた玄葉氏と馬場氏に関する対応方針を承認した。

 岡田克也幹事長は玄葉氏を新2区支部長とした理由について「実績から玄葉氏であれば選挙区で勝てる可能性がかなり高い」と説明した。県連が求めていた選挙ごとに小選挙区と比例代表の候補を入れ替える「コスタリカ方式」の導入については「今回決めたのは新2区が玄葉氏、比例東北が馬場氏。それ以上でも以下でもない」と述べるにとどめた。

 新2区の候補者調整を巡っては、区割り変更に伴い玄葉氏と馬場氏の地盤が重複し、調整が難航していた。支部長決定を受け、玄葉氏は「今年初めから(自身が)小選挙区での当落のリスクを負うべきだとの覚悟で準備を進めてきた。今回の決定を受け、新2区での活動に拍車をかけていきたい」と決意を示した。馬場氏は「党の判断に従う。福島の復興に責任を持つという志に変わりはない」と述べた。

 与野党対決が鮮明

 立憲民主党の新2区の公認候補予定者に旧3区選出の玄葉光一郎氏が決まったことで、新区割りで行われる次期衆院選に向け、各選挙区で与野党対決の構図が鮮明になってきた。

 新たに構図が固まった県中の新2区は、現時点で自民の根本匠氏(72)=9期、旧2区=と玄葉氏の一騎打ちとなる見通しだ。玄葉氏は旧民主党政権で外相、根本氏は2012年の自民の政権奪還後に復興相と厚生労働相を歴任。ともに閣僚経験者で、自民、立民両党の県内小選挙区の現職の中で、それぞれ当選回数は最多を誇る。中央政界は「重鎮同士の対決」と熱視線を注ぎ、全国でも注目選挙区となりそうだ。

 そのほかの3選挙区は、前回衆院選でも争った6人がしのぎを削ることになりそう。県北の新1区は、前回旧1区で接戦を演じた亀岡偉民氏(67)=自民、5期、比例東北=と金子恵美氏(57)=立民、3期、旧1区、会津・県南の新3区は旧4区で戦った菅家一郎氏(68)=自民、4期、比例東北=と小熊慎司氏(54)=立民、4期、旧4区=がぶつかる。浜通りの新4区は旧5区の吉野正芳氏(74)=自民、8期=に新人の熊谷智氏(43)=共産=が挑む構図だ。ただ、新4区は立民も候補者擁立を模索しており、野党共闘も含めた今後の対応が焦点となりそうだ。

 また現職では立民の馬場雄基氏のほか、自民の上杉謙太郎氏(48)=2期、比例東北=も比例東北ブロックからの立候補を予定している。

 次期衆院選は、政権の支持率上昇などを背景に岸田文雄首相が早期解散に踏み切るのでは、との臆測も出ており、各陣営はすでに早期解散も見据えて現地入りを増やすなど、選挙戦に向けた動きを加速させている。