昨年3月の地震で被災のホテル、再建着手 相馬、来春再開目指す

 
来春開館する予定のホテルの完成イメージ図

 本県沖を震源とする昨年3月の地震の影響で休業が続く相馬市の相馬ステーションホテルは、来年春の営業再開を目指し、建て替え工事に着手する。現地で7日、起工式が行われ、関係者が再起を願った。

 最大震度6強を観測した地震で市内では多くの宿泊施設が被災した。市によると、影響が長期化しており、市内36宿泊施設のうち、15施設で休業が続いている。

 相馬ステーションホテルはJR相馬駅から徒歩1分の市内中心部にあり、ビジネスマンや観光客らに親しまれていた。地震で1994(平成6)年に建設した建物が傾くなどし、営業が困難な状況となった。しかし、ホテルを運営する「泉」の舘山友美子社長(50)らは、現在地での再建を決断。昨年8月から解体作業が行われていた。

 新しいホテルは鉄筋コンクリート造り7階建てで、延べ床面積約3120平方メートル。客室数は以前より1割程度少ない98室だが、各部屋を広くして快適性を重視する。5階以上の東側の客室からは太平洋の眺望も楽しめるようになるという。

 式では舘山社長がくわ入れし、伊東充幸市産業部長、草野清貴相馬商工会議所会頭らが玉串をささげた。舘山社長は「(先代の)父が残したホテルの解体には戸惑いがあったが、地元やお客さまの励ましがあって、起工式まで来ることができた。生まれ変わるホテルをご満足いただけるものにしたい」と決意を語った。