「復興バブル後」編へ識者の意見【番外編 上】和田賢一氏・とうほう地域総合研究所研究員

和田賢一氏
◆和田 賢一氏(福島県経済を調査)
人口減への対策重要
震災と原発事故から6年目に入った県内の経済は、公共投資が依然高い水準で続いている。ただ、本県の「公共工事前払保証請負金額」の推移を見ると、今年2、3月は2カ月連続で前年を下回った。現在でも震災前の4.5倍という高い水準を維持しているものの、これまでの勢いに終息感も見え始めている。
雇用面では、本県の有効求人倍率は高い水準を保っている一方で、今年に入ってから3カ月連続で前月を下回っている。今後復興需要が縮小していくのに伴い、新たな職探しを求められる人も出てくるだろう。
こうした現状の中、県内経済発展のため求められるのは、やはり人口減対策だ。定住人口対策としては、婚姻数を増やすための取り組みや既婚者への経済的支援、子育て支援が必要となる。また、進学や就職を機に転出する若者を県内にとどめるため、大学の改革や研究機関など新たな企業誘致の推進も不可欠だ。
定住人口対策とともに、交流人口を増やす取り組みも重要だ。観光キャンペーンのほか、通勤や出張により継続的に交流人口を生み出す企業誘致など、本県への経済波及効果を持続させる努力が求められている。
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