飯舘の農家レストラン、令和に営業再開 女性店主、新たな出発

 
「みんなが集まってわいわいできる場所にしたい」とオープンを心待ちにする佐々木さん

 東京電力福島第1原発事故により営業を休止していた飯舘村の農家レストランが5月1日、令和の幕開けとともに復活する。「みんなが集まってわいわいできる場所にしたい」。店主の佐々木千栄子さん(73)は新たな出発に力を込める。

 店の名前は「気まぐれ茶屋ちえこ」。村が平成の大合併で自立を選択した約15年前、自らも「女性として自立したい」と葉タバコの乾燥施設だった小屋を改修して店をオープンさせた。

 2005(平成17)年には村が「どぶろく特区」の指定を受け、佐々木さんが本県第1号で酒造免許を取得。佐々木さんが造るどぶろくは村の名産品として親しまれてきた。

 「酒はもうやめようと思った」。原発事故で避難を余儀なくされた佐々木さんはどぶろく製造の引退も考えた。それでも「戻ったら村でもう一度(どぶろくを造りたい)」と気持ちを奮い立たせ、避難先の福島市飯野町で特例措置を受けてどぶろくの製造を続けた。

 村の大部分の避難指示が17年3月末に解除され、昨年夏ごろから再開に向けて準備を始めた。レストランは屋根を中心に補修し、併設する住宅はシロアリ被害があり、建て替えた。

 ようやく村内でどぶろく造りを再開できたのは今年1月。「飯舘で造るどぶろくはいいね」と実感しており、「昔のことを思い出して喜んでもらえる品を届けたい」と腕を振るう。

 再オープンさせる茶屋ではメインにしみ餅を提供、汁物、漬物などもメニューに加える。価格は500円程度の予定だ。メイン料理は週替わりで提供する予定だが「気まぐれだからね。何を作ろうかな」とちゃめっ気たっぷりに話す。

 「第三の人生」と位置付ける令和に古里で店を再開させる佐々木さん。「村に遊びに来て小腹がすいたら寄ってって」。気まぐれでも心がこもった料理で人々をもてなす。

 「気まぐれ茶屋ちえこ」の住所は飯舘村佐須字佐須200。営業は火、水、木曜日で時間は午前11時~午後3時。どぶろくは、茶屋のほか同村の道の駅までい館でも購入できる。