福島県の高校生が六ケ所村訪問 核燃料の課題向き合う

福島県内の高校生が22日、青森県六ケ所村を訪れ、日本原燃の再処理工場などを視察した。同工場は原発の使用済み核燃料から再利用可能なプルトニウムなどを取り出す施設。国が核燃料サイクル政策の中心としたい現場を見て回り、本県も直面する核燃料の後始末という課題に向き合った。
NPO法人ハッピーロードネット(広野町)の人材育成事業で、8月に英国で廃炉の取り組みを学んだ生徒18人が参加。再処理工場では心臓部の中央制御室を視察した。
原燃は2021年度の稼働を目指すが、原子力規制委員会の審査に合格しておらず、完成時期の延期を繰り返している。震災当時に東京電力福島第2原発所長だった原燃の増田尚宏社長は「核燃料サイクルを確立することで、(原子力が)準国産エネルギーとして成り立つ」と稼働の意義を強調した。
生徒は使用済み核燃料の貯蔵プールも見学。容量3千トンのうち、既に2968トンが貯蔵済み。本来は廃炉が決まった福島第2原発の使用済み核燃料の搬出先となるはずだが、ほぼ満杯の状況だ。2年の男子生徒は「受け入れができない状況が続けば、福島の原発の燃料はどうなるのか」と心配した。
再処理の過程で出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)について、原燃の担当者は最終処分方法についても説明を受けた。ただ処分場所は決まっていない。再処理工場の近くに低レベル放射性廃棄物の最終処分場がある状況を踏まえ、2年の男子生徒は「低レベルの最終処分場を設置する際に住民合意を得た経験を生かして議論してほしい」と訴えた。
生徒は23日も六ケ所村の核融合研究所などを視察する。
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