由木復興庁事務次官に聞く 26年度以降も予算確保

ゆき・ふみひこ 東大卒。83年に旧建設省入省。91年度から4年間本県に出向し、地域開発課長、企画調整課長などを歴任。国交審議官からの着任。59歳。島根県出身。
復興庁の事務次官に就いた由木文彦氏(59)は27日、福島民友新聞社の取材に「第2期復興・創生期間」後の2026年度以降の財源確保を進める考えを示した。
―震災前に県に出向していた。現状認識と抱負は。
「再び福島に関わる仕事ができ、幸せだ。原子力災害に伴い、今後、本格的な復興に入る。取り組むべき課題は多いが課された使命を果たしたい」
―26年度以降の財源確保は。
「復興の状況に応じて地元と相談し、必要な事業を必要な形でできるようにする。新型コロナ対応で財政当局は非常に厳しいが、復興は国に課された責務だ。復興庁としてしっかり予算を確保していく」
―特定復興再生拠点外の帰還困難区域について、どのように対応するのか。
「各首長は拠点外になった住民の気持ちを大変気にしている。各町村の事情や考えを受け止め、政府全体できちんと考える」
―東京電力福島第1原発の処理水を巡る風評対策は。
「どのような処分方法でも風評の問題は出てくる。具体的にどうするかという話にはまだ入れないが、避けては通れない課題。しっかりと検討を進める」
―間もなく震災から10年。庁内で震災のノウハウは継承されているか。
「職員は震災を風化させない心構えで働いている。何かをおろそかにすることはない。一方、震災の知見を継承し他の災害に活用するべきだとの声もある。復興庁に課せられた新たな仕事と捉えており、組織改編も含め議論を始めている」