サツマイモの作付け拡大、進む産地化 楢葉・避難解除5年

 
貯蔵施設前に広がる畑でサツマイモの手入れをする内田さん=楢葉町

 東京電力福島第1原発事故で一時全町避難した楢葉町は5日、避難指示の解除から5年を迎える。町が農業再生に向け、新たな主力作物に位置付けるサツマイモの作付面積は本年度で約42ヘクタールまで拡大し、生産開始から4年目で目標とする50ヘクタールに迫った。年間を通じた安定出荷に向け、町内沿岸部に整備を進める国内最大規模のサツマイモ貯蔵施設も14日に稼働を開始し、一大産地化に向けた取り組みが加速する。

 町は風評による県産米の価格下落などを受け、菓子や焼酎など加工品としての需要が見込め、農家の安定収入が期待できるサツマイモの生産に着目。2017(平成29)年に作付面積約1.5ヘクタールから生産を開始した。

 サツマイモを使った菓子の製造・販売の大手で、被災地の営農支援に意欲を示していた白ハト食品工業(大阪府)と連携し、産地化を進めてきた。

 「楢葉のサツマイモを購入したいと消費者に選ばれる産地づくりを進めたい」。同社が同町に置く現地法人の責任者の内田政樹さん(48)は、そんな理想を胸に生産を主導してきた。

 町によると、震災前の町内の畑の面積は約200ヘクタール。避難や担い手不足などで営農再開が進まない中、サツマイモの作付面積の拡大が畑の有効活用にもつながっている。

 内田さんは、サツマイモ貯蔵施設の14日の稼働を心待ちにしている。保管容量は国内最大級の約1300トンで、適切な湿度と温度を保つことで収穫期以外にも出荷できるようになる。保管した全てのサツマイモを同社が買い取る仕組みだ。内田さんは「地元農家の生産意欲につながると期待したい。町を挙げてサツマイモの生産を盛り上げれば、多くの人が働けて、町への関心を引き寄せる力になる」と意気込む。