県漁連会長「本格操業 影響させたくない」 海洋放出、分けて議論
県漁連の野崎哲会長は23日、放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法について「海洋放出反対に変わりはなく、海洋放出されたとしても、本格操業の議論に影響させたくない」と述べ、海洋放出と、来年4月の開始を目指している本格操業の議論を分けて考える方針を示した。
いわき市で23日に開かれた県漁連の復興協議会終了後に報道陣の取材に応じた。県漁連によると、本格操業開始後、国民の理解が得られないまま海洋放出が実行され、本県漁業に不利益が生じた場合、損害賠償の請求を視野に入れる。一方で、本格操業に向けた議論は「海洋放出で足止めを受けていては復興に向けた歩みが進まない」として、加速させる考えだ。
野崎会長は「(海洋放出が決まっても)動じることなく、漁業を続けることが一番の抗議活動であると信じている。漁業をやめる選択肢はない」とも述べた。
課題の洗い出しやロードマップ作成
復興協議会では、本格操業への移行について、いわき、相馬双葉の両漁協が現状の課題の洗い出しやロードマップを作成した上で段階的に本格操業に移行することを申し合わせた。
県漁連によると、両漁協は今後、操業日数や漁業種ごとの漁獲規模、操業時間など、試験操業で規制がかかっている項目について課題を議論する。その上で操業のロードマップを作って年度内に復興協議会、組合長会議で諮る方針。来年4月にどのような形で本格操業を行うかは、両漁協に委ねるとした。
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