大東大生「復興にできること探す」 被災地視察、交流の成果を報告

本県の被災地で研修した大東文化大の2年生6人が23日、埼玉県東松山市の同大東松山キャンパスで報告会に臨み、視察や県民との交流で得た学びの成果を発表した。学生らは、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から間もなく10年となる本県の現状を踏まえながら、自分たちにできる被災地支援の在り方などについて語った。
参加者の一人で、祖父母が福島市に住む男子生徒(19)=東京都出身=は、大津波に襲われた浪江町の請戸小校舎を目の当たりにして、震災遺構の意義を考え直したことを発表した。
「震災遺構はつらい記憶を被災者に思い出させてしまうのではないか」。男子生徒は震災遺構に否定的な考えを持っていた。しかし、被災校舎を見たとき、震災を経験していない人にも津波の威力や防災対策の大切さを訴え掛けてくることを肌で感じたという。「震災遺構を訪れた人は、自分が感じたことを外部に発信すべきだ」と力を込めた。
小野町出身の女子生徒(19)は、第1原発を視察し「放射線量が高い一部を除き、防護服を着用しなくても作業ができることに衝撃を受けた。原発内がいつまでも事故当時のままではないと分かり安心した」と振り返った。その上で、復興に取り組む人の熱意に触れたことが印象的だったと語り、「自分も福島の復興にできることを探したい」と締めくくった。
研修は福島民友新聞社と大東大の包括的な連携協定に基づき、10月19~21日に行われた。同大は来年度も研修を継続する意向だ。
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