廃炉業務の総点検へ 東電社長が第1原発を視察、所員に訓示

 
第1原発の所員を前に訓示を述べる小早川社長

 東京電力の小早川智明社長は23日、福島第1原発を視察し、3号機に設置していた地震計の故障を放置した問題や、柏崎刈羽原発(新潟県)の核物質防護不備を受け、第1原発の廃炉に関わる業務の総点検に着手する考えを明らかにした。

 視察後に行った所員に対する訓示で、〈1〉適切なルールが定められているか〈2〉ルールは機能しているか〈3〉安全に対する意識が行動に結び付いているか―の三つを早急に点検するように指示。設備や機器の劣化、リスク診断の実施に加え、適切な予防と保全も促した。

 小早川社長は、相次ぐトラブルを「痛恨の極みで心からおわび申し上げる」と陳謝。10年前の原発事故の原点に立ち返り「(安全に対する)おごりや過信、これまでの取り組みが正しかったのか、抜本的な原因を追及することが大事」と求めた。

 視察は、1都3県に出されていた新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の解除に伴って実施。本県沖を震源とした2月の地震の被害状況や、地震計が新たに設置された3号機の現状などを確認した。

 小早川社長は、東日本大震災と原発事故から丸10年の3月11日、新型コロナ感染拡大防止を理由に東電の社長が慣例としてきた本県訪問や取材対応を見送り、批判を受けていた。

東電社長、事故教訓反映へ

 東京電力の小早川智明社長は第1原発の視察後の報道陣の取材に、経営トップとして事故の教訓を着実に反映する考えを語った。

 ―事故から10年が経過したが、核物質防護の不備や、情報発信の遅れが続く。
 「核物質防護は原子力事業者として基本中の基本だ。できていなかったことは反省の至りで、地域の期待を裏切ることを重く受け止める。しっかりと原因究明し、会社として生まれ変わる覚悟で臨む」

 ―組織の改革にどのようにリーダーシップを発揮するか。
 「現地に足を運び、(トラブルの)原因究明についても率先して先導しなければならないと考えている。現場が一枚岩となってやっていける状態をしっかりつくることが自分の役割」